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記憶の底に隠れる前に

気になる言葉から日常話まで
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楽しくしてくれる出会い

数年前、画家の須田剋太さんの絵を見に行った時に、伊古奈に喫茶美術館が建てられた際のパンフレットと挨拶文を頂いて帰りました。

>伊古奈・喫茶美術館によせる 須田剋太 1988.5.1
>(前略)
>人と人との出会いは、他人に如何したらお互い楽しく、やさしく生きられますかと云うセリフが出る場が必要です。不図、向うの椅子に座っている人が、何等かの縁で、私の心を楽しくしてくれる事を頼むものなのです。そんな場が、伊古奈の喫茶・美術館で、実現化出来たらいいがなあ!と云う私の願望です。
>(後略)

出会いに必要な場所がある。それを作ろうとしている。
そこまでは理解出来たのですが、その後の「私の心を楽しくしてくれる」の部分がどうしても飲み込めませんでした。
再会ならともかく、出会いの段階で誰かに何かを求める? 自分から何かをするのではなくて?
だけど、利己的なものを感じない文章に、捨てずに残しておくことにしました。
誰かの為に残した文章。飲み込めなくても、手元には置いておける。そういう類のものでした。
そして、最近ようやく、この文章の意味が飲み込めるようになってきました。

喫茶美術館ということは、知らない人同士が同じ絵が目に止まったことで話が出来る可能性があります。
それをきっかけに、やさしく楽しく話すことができたら、扉をくぐって外に出て再び他人に戻ったとしても、心は楽しいままだと思います。
出会いは出会い以上のものを求めていなかった。

本当の答えは分からないけれど、これですっきりしました。
年月が教えてくれるものもあるんですね。
挨拶文は元の場所に片付けておいて、また、何かが引っかかってくるのを待っていようと思います。

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梅シロップ
暑い日が続きますね。
毎年、口だけでもさっぱりさせようと、酢を飲んでいました。
バルサミコ酢やリンゴ酢を大匙一杯ほど、200ccぐらいの水に入れているのですが、酢の物すら苦手な私としましては、「いつまでも口に含まず、一気に飲み干してしまえー!」といった体育会系ノリが入ってしまいます(笑)。

そんな私にもヒーローが現れました。その名は『梅シロップ』!
春に青梅を買いすぎたので、冷凍庫に保存(という名の『なかったこと』に)したのですが、
丁度、ヨーグルトに付いている砂糖が十袋ほど溜まったので、梅シロップを作ることにしたのです。

煮沸消毒した瓶に、凍ったままの梅をごとんごとんと入れていき、その上から砂糖を振りかける。
こんないい加減な作りをしたにも関わらず、二ヵ月後には梅はしわしわになり、シロップが出来上がりました。
砂糖が足りなかったものは少し渋みが残っていたので、砂糖を足したりして。
気が付くと、冷凍庫の青梅はすっかり無くなっていました。

夏は梅だな。『失敗は成功の元』を肌で感じながら、今日も梅シロップの水割りを飲んでいます。
かずらのカバン
かずらのカバンにカビが生えてしまいました…。
自然素材で出来たものなので、梅雨時期はきちんと風通しの良いところに置いていたのですが、先日の台風の時、うっかり湿気が多いところに置いてしまったようです。
白いカビをうらんでも仕方がありません。
風呂場で水洗いをして、水気を切ったら、風通しのいい廊下に置きました。
これで一応は、使えるようになりましたが、悔やまれるのは「艶」のこと。

このカバン、お店ではなくて、かずら作家さんのお宅で直接譲り受けたものなのです。
作られた方の顔を知っているというのは、物の扱いもかなり変わってきますね。
展示会が終わったばかりなのに、にこにことしながら、色々説明をしてくださいました。
「何年か使ったものの方が、皆さん目に止まるみたいですよ。手で触ると艶が出てきますからね。よーく触ってあげて下さい」

作家さんに見せて頂いた「飴色」にはまだまだ遠いけど、やっと艶が出てきたのに水洗いのせいで、ぱさぱさになってしまいました。ううぅ、自業自得なんですけどね…。
乾いたカバンを膝の上に置いて、さすってます。
いい子だから、頑張って育ってね~と想いを込めて。
優しい音の言葉を選ぶ

さだまさしさんのコンサートに行きました。
「いつもの曲といつものトークでお送りします」という挨拶にのっけから爆笑の渦。さすがです。
楽曲もさることながら、評判どおりのすんばらしいトークが展開されて、三時間があっという間に過ぎていきました。

中盤、季節が季節なので『精霊流し』を歌われました。
会場が狭いのが幸いして、誰かがいなくなるということは本当に切なく、日を重ねるごとに寂しいという気持ちが痛いほど伝わってきました。
続いてのトークでは、会場は静まり返っていました。
「人の死を扱う歌だから、今聞いても気を使っているなと思います。『あ』という音が多い。優しい音の言葉を選んでいます」

同じ意味の言葉でも音によっては受ける印象が違う。
『優しい音の言葉』ってなかなか出てこないものですね。
どうやって伝えようかと考えるけど、内容にばかり気を取られて、音までは気が回らない。
文章を書く上で気を配るのは、せいぜい字面ぐらいまででしょうか。
音で伝えることが出来たら、伝わり方が違うと思います。
普段の会話においても、それが出来たらもっと、いい。

笑いに行って、感動して、勉強して帰ってきました。
また、コンサートがあったら行ってみたいです。

「Xiang-ge-li-la! 」改稿中

A&Cにて森崎さんに読んで頂いたことがきっかけで、「Xiang-ge-li-la!」の改稿が進んできました。
やっぱり、客観的に見て頂くということは大きいです。
ありがたい「愛ある指摘」を読みながら、再度自分の作品を読んでみると、
気が付かなかった穴がいっぱいで…ああ、いっそ、この穴に入ってしまいたいっ!
季節が舞台と同じ夏ですし、集中して改稿することにしました。

そして、きちんと終わらせてから、コウモリの最終回を書こうと思います。
どっちも一人称の話なので、主人公の性格が混じってしまう危険性を回避してみました。
几帳面なリンリンと、巻き込まれ体質のアカネの性格が混じると変なので…。

全話の改稿が終わってから、まとめてUPしようと思います。
サイト更新はまたまたゆっくりになりますが、ブログは続けます。

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