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記憶の底に隠れる前に

気になる言葉から日常話まで
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夜の海原に浮かぶ灯火

作品情報:「ツキモノ」(原稿用紙換算 64枚 DL版あり)

著者:渡来周発(わたらい しゅうは)さま

サイト:森の中の小説喫茶
http://moricafe.gozaru.jp/index.html

作品の場所(2007/4/17現在):しょうせつ 完結済みの作品

―――――――――――――――――――――――――――――――

時間を気にしない旅人アルフについてくる一人の少女、彼女は幽霊だった。

第一印象は「ちょっと変わったファンタジー」でした。
夜風が聞こえるような静かな始まりかたに、そう思ったのかもしれません。
ファンタジー・冒険とくれば賑やかな始まりかたをするという固定観念を、いい意味で破ってくれました。

アルフは少女に「セリム」という名前をつけます。
共に旅をしていきながら、成長していくセリム。
そっけないけれど優しいアルフが、不安げなセリムを支えていくようすが微笑ましいです。
洞窟から出た二人が見る鮮やかな風景が、赤い色の様々な表現で表されていて、世界の鮮やかさを一層際立たせています。
寄せては返す波の合間に、灯火が浮かんでいるような印象をうけました。

―――――――――――――――――――――――――――――――

この度、作品を紹介させて頂きたいとお伺いしたところ、暖かいお返事と改稿を予定していたとの情報を頂きました。
思いがけない朗報でした。
今も連載作品を執筆中の周発さまが、「ツキモノ」をどのような作品に展開されるのか。
さらに楽しみが増えました。

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(追記)
4/18 改稿されました。
セリムを取り巻く環境がさらに詳しく、優しく綴られます。
彼女の亡くなった理由が切なく描かれていて、宝石のような透明度を感じました。

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